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大学院講演会 開催報告「大学院史学専攻修了者が社会科教育に携わるということ」

2025年1月20日、史学科?大学院史学専攻では、本学学生や教職員を対象とする講演会「大学院史学専攻修了者が社会科教育に携わるということ」(2024年度大学院講演会)を開催しました。講師として、青山学院大学大学院修士課程(史学専攻)を修了し、現在、逗子開成中学校?高等学校で社会科教諭としてご活躍なさっている片山健介氏をお招きしました。

片山氏は、社会科教員としての通常の仕事や、私たちが学校教育の科目として歴史を学ぶことの持つ魅力、意義、複雑さ、危険性について、大学院史学専攻修了者としての知見を織り交ぜつつ、具体的にお話しくださいました。そこでは、単なる暗記教育ではなく、「歴史的事象を自分なりに解釈すること」「目の前に提示されている情報の向こう側に隠されている何かを読み取ること」の重要性が強調されていました。

本学には、教職免許を取得するためのカリキュラムを履修している学生が多くいます。講演中に熱心にメモを取る姿が見られました。講演後の質疑応答では、就学中の生徒がSNSなどを通じて接する偏った歴史観の危うさや、教員として「歴史総合」などの新課程に対応していく難しさや課題などについて、多くの質問が寄せられました。

講演会は、中学や高校の社会科教員の仕事や課題について、理解を深めるよい機会になりました。

【学生の感想(要約)】
?社会科教員の仕事内容に具体的なイメージを持つことができた。
?単なる教科書の暗記ではなく、生徒が自ら考えるよう導く教育をするためにはどのようなことをしなければならないかを学ぶことができ、日ごろから問題意識を育てておくことや、知見を広げておくことの重要性について認識することができた。
?わたしたちが知らず知らずに自明視している「歴史」には、実は私たち一人一人が考えるべき解釈の多様性があることを知れて良かった。
?社会科教員の仕事のやりがいを知ることができ、教員になりたい気持ちがより強くなった。

(史学科准教授 石原比伊呂)